家を買うと毎年がっかりするのが固定資産税。4月か5月に役所から明細書が送られてきます。
家が古くなると固定資産税は徐々に減額されます。
今年も固定資産税の明細書がやってきました。
今年、令和3年は3年に1度の評価替えの年なので、住宅(建物)の固定資産税は前年よりも安くなっているはずです。
どのように減額されていくのか詳細を見てみましょう。
固定資産税のポイントまとめ
今回はなんだかごちゃごちゃしそうなので先にまとめです。
正しく固定資産税が計算されているか確認するための知識
住宅の固定資産税は、
①再建築費評点数(C)(住宅を再建築する際の費用に対応する点数)に、経年減点補正率(D)(築年数に応じて乗じる係数)と固定資産税率(1.4%)とを乗じて決まる。
②再建築費評点数(C)は、新築時の評価額に再建築費評点補正率(B)の累積を乗じて決まる。
Q家の固定資産税の推移
今年で築10年になるQ家の令和3年度の固定資産税は、95,500円でした。
去年の固定資産税は103,800円だったので、8,000円ぐらいは安くなりました。
ちなみにQ家のスペック
約114平米の平屋、瓦屋根、太陽光発電なし、全館床暖房あり、滋賀県
もっと安くなると思ってたのになぁ。
いつまでたっても固定資産税が安くならないよ・・・
なんだかなぁと思って、色々調べてみたところ、下記の表のような結果になりました。
固定資産税の計算は間違いなく決定されているようです。
表の最も左側の欄を参照すると、計算式が分かるようにしてあります。以下では、固定資産税を求めるときに、分かりにくそうなところを解説してみます。
再建築評価点数(C)を求める(再建築費評点補正率(B)の累積を利用)
上の表で大切なのは、今年の再建築評価点数(C)です。
ただ、「今年の再建築評価点数(C)」を求めるのは、古い家だと結構大変だったりします。
「今年の再建築評価点数(C)」=「新築時の評価額」×「再建築費評点補正率(R3年度)」だと思っていたのですが、そうではないようです。
正しくは、「今年の再建築評価点数(C)」=「新築時の評価額」×「再建築費評点補正率(R3年度)」×「再建築費評点補正率(H30年度)」×「再建築費評点補正率(H27年度)」×「再建築費評点補正率(H24年度)」というように、新築後に設定された「再建築費評点補正率」をすべて累積しなければならないようです。
2011年築の住宅の場合、再建築費評点補正率(B)の累積値は、0.99×1.06×1.05×1.04=1.1459 となります。
ですから、Q家の再建築評価点数(C)は、「新築時の評価額(約1,100万円)」×1.1459=約1,265万円。
新築時の評価よりも約15%も高く評価されています!
建築費の上昇のせいで、再建築評価点数(C)が新築時よりも高くなっています。高くなった再建築評価点数(C)に基づいて固定資産税が決まるため、固定資産税があまり安くならないのか・・・
経年減点補正率(D)を乗じて評点数(I)を求める
再建築評価点数(C)が求められれば、経年減点補正率(D)を乗じて評点数(I)を求めます。
経年減点補正率(D)は、下の表で決まります。
一条工務店の家の場合、大抵は右から2つ目のテーブルが採用されるはずです。
Q家の場合、築10年なので、経年減点補正率(D)は0.54です。
3年前は0.61だったので、0.07低くなりました。
この表は、総務省のホームページにて公開されています。
物価水準による補正率(F)と設計管理費による補正率(G)は新築時のみ適用?
上の表の中に、物価水準による補正率(F)と設計管理費による補正率(G)とがありますが、Q家の固定資産税の計算にこれを適用すると固定資産税の金額が合いませんでした。よって、評点数(I)を求める際には、これらを無視して計算します。
恐らく、物価水準による補正率(F)と設計管理費による補正率(G)とは、新築時のみ適用されるのかと思います。
下記は参考文献です。
評価額(I)に税率1.4%を乗じて固定資産税額(J)を求める
評価額(I)に固定資産税の税率1.4%を乗じると、固定資産税額(J)が求められます。
都市計画税がある地域では、都市計画税も加算されます。
みなさんも固定資産税がちゃんと減額されているか、確認しましょう。
計算の根拠となる参考文献
最後に、固定資産税の計算根拠になる参考文献を列挙しておきます。
ご自分で計算されるときの参考に利用してください。
再建築費評点補正率
再建築費評点数
新築住宅の固定資産税の求め方については次回以降に説明しますね!